【価格査定マニュアルによる土地の査定方法】不動産の売却お考えの方必見です!
前回のコラムで、相続税評価額・固定資産税評価額から土地の相場を算出する方法をお伝えしました。
この方法は、割と簡単に土地の相場を知ることができ、例えばご自分の土地の売却金額や購入したい土地価格の目安となります。
一方、同じ路線価沿いの土地でも、実際の売出し価格の単価にはばらつきが見られ、場合によっては大変高い(または大変安い)物件もあります。
なぜこのような価格の相違が出てくるのでしょうか。
売出し価格の相違には、売主の意向なども要素の一つですが、土地毎の採光、方位、形状、その他様々な評価の違いが、価格に反映されたものとなっています。
ライズ不動産では、一般的な戸建住宅地の売出し価格の算定には、(公財)不動産流通推進センターの【住宅地価格査定マニュアル(以下マニュアルと言います)】を使用しています。
今回は、マニュアル内容を概略ですがお伝えし、土地価格にはどのような内容が評価されるのか、少し専門的になるかも知れませんが、参考にしていただければと思います。
1 土地の査定方法
マニュアルでは、土地は【事例比較方式】で査定されます。
この方式は、査定地と同じような取引事例地を選んで、その土地と査定地を比較・評価して価格を算出します。
■土地の査定価格の算出式
査定地の評価○○点
査定地単価(万円/㎡) = 事例地単価(万円/㎡) × ————————————
事例地の評価○○点
査定価格(万円)=査定地単価(万円/㎡) × 査定地の面積(㎡)× 流通性比率
※流通性比率とは、市場で売りやすい不動産なのか、売りにくい不動産なのかという流通性の度合いを示す比率。1.0を基準として、マイナス15%からプラス10%の範囲内で、売りやすければプラス、売りにくければマイナスで評価しますが、この度合いは不動産のプロでないと難しいかも知れませんね。
■取引事例に求める条件
また、事例地との比較・評価なので、事例地が売り急ぎなどの特殊な事情により、地域の価格水準と大きくかけ離れていれば、査定価格も精度が低くなりますので、マニュアルではそのような特殊物件でないことを前提としたうえで、取引事例に求める条件を定めています。
(例)
- 取引時点が過去半年以内の物件
- 同品等、同規模の事例地
- 査定地と同一圏内の事例地
- 査定地と都市計画区域が同じ取引事例
その他、一般的な戸建住宅地以外の、例えばマンション開発用地や農地などは対象外となっています。
2 土地の評価項目
それでは、事例地・査定地の土地の評価に関係する項目には、どのようなものがあるでしょうか。
査定条件表(土地)を添付します。
大項目として 【1.交通の便】 ~ 【7.その他の画地の状況】
それぞれの大項目毎に数個の評価項目があり、それぞれ毎に、マニュアルの評価基準で選択していくと、自動的に点数が付くようになっています。
その合計値が、査定地と事例地の評価○○点となります。
各項目の基準値は省略しますが、土地の評価に関係する内容が、表から読み取っていただけると思います。
■査定条件表(土地) |
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項目名 | 査定地情報 | 評点 | 事例地情報 | 評点 | |
1.交通の便 | 小計 | -1.2 | 小計 | 1.7 | |
主たる移動手段 | 鉄道・バス |
| 鉄道・バス |
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徒歩圏・バス圏 | 徒歩圏 |
| 徒歩圏 |
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徒歩 | 徒歩分 | ●分 | -1.2 | ●分 | 1.7 |
バス圏 | バス分 |
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| バス停までの徒歩分 |
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| バス運行頻度 |
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2.近隣の状況 | 小計 | 0.0 | 小計 | 0.0 | |
店舗への距離 | 徒歩10分以内にあり | 0.0 | 徒歩10分以内にあり | 0.0 | |
公共施設の利便性 | 普通 | 0.0 | 普通 | 0.0 | |
街並み |
| 普通 | 0.0 | 普通 | 0.0 |
近隣の利用の状況 | 普通 | 0.0 | 普通 | 0.0 | |
3.環境 |
| 小計 | 0.0 | 小計 | 0.0 |
騒音・振動 | なし | 0.0 | なし | 0.0 | |
日照・採光等 | 普通 | 0.0 | 普通 | 0.0 | |
眺望・景観 | 普通 | 0.0 | 普通 | 0.0 | |
4.供給処理施設 | 小計 | 0.0 | 小計 | 0.0 | |
排水施設 |
| 公共下水・集中処理 | 0.0 | 公共下水・集中処理 | 0.0 |
ガス施設 |
| 引込済・引込容易 | 0.0 | 引込済・引込容易 | 0.0 |
5.街路状況 | 小計 | -5.0 | 小計 | 6.0 | |
方位 |
| 振れ角0度:一方道路:北 | 0.0 | 振れ角0度:一方道路:西 | 3.0 |
幅員 |
| 4m以上 5m未満 | 0.0 | 5m以上 6m未満 | 3.0 |
路面の状況 | 悪い | -2.0 | 良い | 0.0 | |
周辺街路の整備・配置 | 計画性なく無秩序・行き止まり | -3.0 | ほぼ整然 | 0.0 | |
公道・私道の別 |
| 公道に面する住宅地 | 0.0 | 公道に面する住宅地 | 0.0 |
6.画地の状況 |
| 小計 | 0.0 | 小計 | 0.0 |
間口 |
| 17.0m | 0.0 | 24.0m | 0.0 |
形状 |
| 整形 | 0.0 | 整形 | 0.0 |
7.その他の画地の状況 | 小計 | 0.0 | 小計 | 0.0 | |
路地状敷地 | 該当しない | 0.0 | 該当しない | 0.0 | |
路地状部分の奥行 |
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路地状部分の面積 |
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崖地・法地 | 含まない | 0.0 | 含まない | 0.0 | |
崖地・法地部分の面積 |
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利用の可否 |
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崖地・法地方位 |
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都市計画道路予定地 | 影響なし | 0.0 | 影響なし | 0.0 | |
高圧線下地 | 該当しない | 0.0 | 該当しない | 0.0 | |
該当部分の面積 |
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該当部分の減価率 |
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前面道路との高低差 | 支障なし | 0.0 | 支障なし | 0.0 |
まとめ
一般的な戸建住宅地の査定は、査定地と同じような取引事例地を選んで、その土地と査定地を比較・評価する【事例比較方式】して価格を算出します。
評価する項目には、交通の便、近隣の状況、環境、供給処理施設、街路状況、画地の状況など、多くの項目があります。
ライズ不動産は熊本市を中心として、不動産の売却や購入を中心に、たくさんのお客様のご相談にのらせていただいてます。(^_^)
買取りも行っています。ご興味がございましたら、ぜひご連絡ください。